嫌い嫌われ早ン十年

人に嫌われたとする。
例えばその相手が大事な人だったり
嫌われることによって自分の首が(社内で)危なくなったりするのであれば
それはほとんどの場合緊急事態である。
誤解を解くなり原因をつきとめるなどの対策をとらなければならない。
もしくは次の仕事先をかんがえるとか。



だがそうじゃないケースの時はどうだろう。
自分もそいつの事を空気にも思っていない場合。
嫌われても痛くも痒くもない場合。
たいがいの人は嫌な気持ちこそすれ
気にしないでおこうという手段をとるはずだ。




しかし私は少しM寄りである。
本当にどうでもいいやつの場合
その状況を楽しんでしまう時がある。
どういう事かというと
さらに嫌われる事をするのである。
どんどん嫌え
どんどん嫌え
呪文をとなえるようにそいつの背中に向かって見えない針を投げる。




みんなには話しかけるが
そいつのことは無視する。
目もあわせない。
向こうがそれで傷つくわけではなし
それどころかさらに私の事を嫌っていくので
お互いいいことずくめだ。



だけどそんなのに限って
クラス会だの冠婚葬祭だのと
顔をあわせることが多い。
だけどそれも楽しい。
まだお互い嫌っているかなとか
リアルで知ることができる。



最後に会ったのは去年の冬だ。
知人の葬式であった。
あいかわらずでわくわくした。
だけど母親になったあいつは少しパワーダウンしていた。
たよりないやつだ。
でもいまだ現役だったので
これからに期待だ。
こんな事があるから
人間関係は面白すぎる。