若い友人について

わたし がどこの誰だか ごく少数の知り合いをのぞいては
わからないとおもうのでわたし の友人について書いても
きっと誰だかわからないとおもうのでこころおきなくかいてみることにする。 


野沢さん(仮名)はわたしがほとんど毎日かよっている休憩スポットで
働いているひとである。
何度か顔をあわすうちにどちらからともなく親しくなった。



彼女は驚くことにわたしよりとんでもなく若かった。
しかし大変しっかりしている印象を受けた。
物事にきちんとむきあい、ごまかしたり あとまわしにしたりしない。
折り目正しいのにどこか柔らかみのある
可愛いひとだとおもった。


知り合って少ししてふたりでごはんを食べにいったりするようになった。
たまに買い物にいったりもした。
さいきんの一部の若い人と同様に彼女もとてもセンスがよかった。
着ている物も何気ないのに清潔感があって
こちらがまねしたくなるような着こなしをしていた。



そんな素敵な子でさえやっぱり悩み多き年頃であるようで、
たまにじっくりはなしをすると 自分のことについて 友人のことについて
落ち込んで自暴自棄になりかけたこともあったという。
なにごとにも潔く見える彼女にも投げ出したくなるようなことや
自分を否定してしまいたくなるようなことがあるのだ。



確かに人は悩まなくなったらお終いだと思う。
自分の現状に満足してはいけないのだ。
だけど悩みすぎてそこから抜け出せなくなってしまうこわさもある。
自分を否定しておとしめてとことんまでいってしまう。


そうならないためにもそれと相反する自分のこと
頑張っている自分とか
ほめてあげたくなるような自分のいいところも常に分かっていてあげてほしいと思う。


野沢さん(仮名)はもともと可愛いかんじの人だったのだが
最近おとなっぽく綺麗になった。
じつは今が人生でイチバンいい時だということを彼女はしっているのかな。

そんな彼女に読んでほしい本です。

ホリー・ガーデン
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